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柏葉幸子 霧のむこうのふしぎな町

図書館の思い出
 
私は子どもの時から父親と毎週末に市立図書館に通っていた。小学校の図書室も中学校の図書室も好きだったけど、いちばん好きなのは市立図書館だった。外観は古くて、ツタがびっしりレンガの壁に生えてた。実際かなり古くて、しかも手狭だったらしいけど、なんとなくいちばん好きだった。今は新しく改装して場所も変わり、市役所に併設されていた。ぴかぴかでかっこよくなってしまっていた………。
 
霧のむこうのふしぎな町を初めて読んだとき、私は小学校高学年だったと思う。そのとき、はやみねかおるの名探偵夢水清志郎シリーズとパスワード探偵団シリーズにハマっており、青い鳥文庫を読みあさっていた。霧のむこうのふしぎな町も青い鳥文庫の中にあって、だから手にとったのだと思う。
 
なんとなく読み進めていると、私は生まれて初めて物語にトリップする感覚を味わった。自分がきちがい通りに迷い込んだ女の子になりきって読んでいて、読了後の良い本読んだ感が半端なかったのを覚えている。
 
最近ところ変わって橋本図書館でこれを手にしたとき、あの良い本読んだ感をまた味わいてえ〜!と思い、手にとった。
 
22才になって改めて読んでみたら、橋本から吉祥寺に行く電車の中で読み終えてしまった。おもしろかったけど、初めて読んだときより当たり前だけどずっとあっけなくて、感動も少なかった。
 
初めて私がこの本を読んだとき、自分の手に余る感じがしていた。今は、当然ながら話を知っていることもあるけど、余裕でこの本を読めることを知ってしまっているから達成感が得られないということに気づいた。達成感も良い本読んだ感を構成しているものなのだと思った。
 
トリップすることも出来なかった。主人公は小6で私は22才なので、主人公の守護霊的目線になってた。
 
でも今は無き図書館の雰囲気とか匂いを思い出して、ああ〜…ってなった。霧のむこうのふしぎな町があった棚の記憶と、棚から引き出したときの記憶も思い出した。青い鳥文庫の並びの隣は、キノの旅ブギーポップは笑わないが並んでいた。
 
私がいちばん好きな図書館にもう一度この本を通して行くことが出来たので、読み直して良かった。