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横溝正史 八つ墓村

実家に帰省しています。

 

やることもなく、遊ぶ友達も、出かける足もないので、(それを一興にしている節もあるが)父親の本棚の八つ墓村を昨晩から読み始め、たった今読み終えた。

 テレビドラマや映画を何度も見ているはずなのに、覚えているシーンは断片的で、女性が犯人だということくらいしか話の筋を覚えていなかった。もっとも犯人が女であることは横溝正史の作品ではとても多いけど。こういうのに記録していけば、もう忘れないかもしれないので、覚えているうちにすぐ書き記したい。

原作を読むのは初めてだった。横溝正史の原作を読むのは2回目だ。なにしろ角川文庫の横溝正史のシリーズの中でも一番分厚いので…。(ページ数が)薄っぺらい本陣殺人事件だけ読んだ覚えがある。

 稲垣吾郎金田一耕助シリーズの八つ墓村を小さいときに見て、すごくおどろおどろしくて、記憶に残っている。そのあと中学か高校のときに石坂浩二版を見たと思う。映像が先だとやっぱり、読んでても脳内再生が既存のものだ…。辰弥は藤原竜也だったし。

 横溝正史は正直キモい人間だとおもう。作家なんてみんなそうか。でもやっぱり女性への偏愛というか変な嗜好を感じる…。大体未亡人と薄幸の少女と男に犯された過去をもつ女性がでてくるし…。腹違い、種違いの子どもがそんなにポコポコ出来てたまるか!本陣殺人事件に鈴子という少女がでてくるんだけど、この少女がめっちゃ可愛い。本陣殺人事件は映像化していないので、イメージは付けにくいけど。横溝みたいなおっさんが鈴子みたいなキャラを作ることがなんかキモいんですよね…。 でも横溝正史のシリーズを私が好きな理由はそういうところかもしれない。出てくる少女は可愛く、女性はエロい。 

 横溝正史の長編の舞台は大体、田舎の閉塞した村や島。そこにはそこら一帯をしきる大きな一族がいて、その一族の家系はドロドロでーっていうのが多いです。横溝正史のシリーズの映画やドラマを見るとき、私と父親は、家系図を書いて整理しながら見ていた。

私は女王蜂がいちばん好きだ!ドラマも映画も良かったです。栗山千明が綺麗でめっちゃ役にぴったりだと思った。原作は読んでないので読みたいな。 今回の八つ墓村もそんな感じです。田舎の陰惨な事件です。

語り手が辰弥なので、金田一の存在感を映画とかドラマほど感じなくてさみしい。 あと犯人の独白が無いから、実感があんまり湧かない…。ドラマではあったけど。

 難解で技巧的なトリックは無い。張られた伏線や謎が少しずつ全て確実に解けていくので気持ちが良かった。初見ならもっと気持ちが良さそうだなー。他の作品よりも、最後らへんの鍾乳洞のシーンがあるので、冒険譚っぽい。 

 小さな村とか集落は恰好の題材なんだと思った。それ自体が、ゆるく囲われた密室みたいだ。その中でぐるぐる渦巻く田舎特有の外から見たら理解し難い感情も、横溝正史に似合った題材だなー。横溝正史の作品は、謎解きやトリックの巧妙さじゃなくて、情緒とか雰囲気込みの良さだと思いました。

 そういえば橋本図書館をついに利用し始めて、ポー(とボードレール)の短編集を借りてモルグ街の殺人を読んでいて、まだ途中なんだけど、それと比べたら遥かに読みやすかった。やっぱり登場人物が日本人で、舞台が日本っていう方が読みやすいな…。古い本だから翻訳が古いのかもしれないけど。 

 有名な話だけど、八つ墓村の要蔵が起こした事件は津山三十二人殺しをモデルにしているが、津山三十二人殺しの方が背筋が凍るほど怖い。”事実は小説よりも奇なり”だ!!